飛行機は自分で起こした波に乗って効率良く飛行するという仮説です。ここでいう波は水面の波のような表面波で回転が伝わる波です。図のように翼の前に影響が出ているということは何かが伝わっているということです。また、翼の周りの気流は前から後ろへの流れと翼の周りを回転する流れに分けて考えることができると言われています。
普通、揚力の説明にはベルヌーイの定理が用いられますが、紙飛行機のような極端な薄翼には適用できません。そこで登場するのが波乗り効果説です。
波乗り効果説で説明できること
- 低速ではキャンバー(反り)がきつく高速では薄い、波の速さと同じ
- アスペクト比が大きい(翼が細長い)ほうが効率が良い、波は横に広がるから
- 高性能グライダーは前進翼、波を中央に集めて横漏れを減らす
- バレーボールのサーブで急に落ちるものがある、ボールが遅くなり波に追い越されると下降気流となる
- 高性能グライダーはほぼ向角無しで飛んでいる、波乗りと同じ
- 渡り鳥の群れが斜め後ろ45°ぐらいに並んで飛ぶ、横から漏れた波も利用している
- 厚さが無い翼形でも揚力を説明できる
これらすべての項目はベルヌーイの定理では説明できません。仮説ではありますがこうして直観的にとらえることで初めて良くするアイデアが浮かびます。数式を眺めているだけではアイデアは浮かびません。とはいえ証明するには数式も必要ですが・・・
上記を踏まえて低レイノルズ数域での高性能滑空機(紙飛行機)を考えましょう。
- 空気の粘り付き、翼幅×速度、薄く、細く
- 大きさにより、翼面積は二乗・重さは三乗・壊れやすさは一乗
- 向角ゼロで飛べる重さで、その位置エネルギーで飛び続けられる空気抵抗
薄く・細く・丈夫・衝撃吸収・滑空速度での発進・回転は全面的にプラスに働く
翼幅・速度・大きさ・アスペクト比はプラス・マイナス両面があり最適解が一つとも限らない。
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